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歯のコラム

矯正的挺出について

歯を引っぱり上げて助ける治療 ―「矯正的挺出」とは?

「この歯は、もう抜くしかないですね…」
そんな風に言われてしまうほど、虫歯が深くなっていたり、歯ぐきの中に埋もれていたりする場合があります。

でも、「矯正的挺出(きょうせいてきていしゅつ)」という治療法を使えば、歯を抜かずに残せる可能性があります。

矯正的挺出ってどんな治療?

矯正的挺出とは、歯ぐきの中に埋もれてしまった歯の根っこを、ゆっくりと弱い力で引っぱり上げて歯ぐきの上に出す治療法です。
主に部分矯正の一種で、ワイヤーやゴムなどを使って、必要な歯だけを目的の位置まで引っぱり上げます。

この治療により、被せ物のための健全な歯質を確保したり、歯周組織の健康を回復したりすることが可能になります。

どんなときに行うの? 適応症について

矯正的挺出は、以下のようなケースで効果を発揮します

  • むし歯や破折が歯ぐきの中(歯肉縁下)まで進んでいる歯
  • 深いところで歯が割れているが、歯根はしっかりしている歯
  •  歯周外科での骨の整形が困難な場合
  •  クラウン(被せ物)を安定させるための歯質が足りないとき

メリット

  •  歯を抜かずに温存できる可能性がある
  • 歯の周囲の組織(骨や歯ぐき)も一緒に引き上げられるため、長期的な安定性が期待できる

デメリット・注意点

  • 治療期間が比較的長い(被せ物が入るまで半年〜1年ほど)
  •  矯正装置を一時的に装着する必要がある(ワイヤー・ブラケット・ゴムなど)
  •  適応できるケースが限られる(歯根が短い場合などは難しい)
  •  治療後に再感染や歯周病があると、せっかく挺出した歯が再びダメになることも
  • 骨の中の歯根が短くなることで力に対して弱くなる可能性もある

 


根管治療を行った後、仮歯を製作して、ワイヤーを組み込んでいるケースです

処置方法は歯の状態や周りの歯の状態によって違います。


よくあるご質問

Q. 歯を引っ張るって痛くないの?
A. 矯正的挺出は、弱い力で少しずつ動かすので、強い痛みはほとんどありません。違和感が出ることはありますが、通常は数日で落ち着きます。

Q. すべての歯に使えるの?
A. 適応は前歯や小臼歯に多く、歯の状態や骨の量によって判断されます。歯科医師がレントゲンやCTなどで慎重に診断します。


まとめ

矯正的挺出は、「もうダメかもしれない…」と思われる歯を抜かずに救うための最後の手段となることもある治療法です。

手間や期間は多少かかりますが、その分ご自身の歯を守れる可能性が広がるのです。

当院では、歯をできるだけ残すための治療選択肢として、このような方法もご提案しています。
ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。