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歯のコラム

重度歯周病の症状や治療法とは?悪化する前に知っておきたい対処法を解説

「歯ぐきが腫れている気がするけど、放っておいても大丈夫?」

「歯がグラグラしてきたかも…これってもう手遅れ?」

こんなふうに歯ぐきや歯の不調を感じつつも、つい受診を後回しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。実は、日本人が歯を失う最大の原因は虫歯ではなく“歯周病”です。なかでも「重度歯周病」と診断されるレベルになると、自然治癒は見込めず、歯を支える骨が大きく失われてしまうため、早期の対応が重要です。

今回は、重度歯周病の主な症状と治療法、よくある疑問への答えをまとめました。

■重度歯周病って?

重度歯周病(高度歯周炎)とは、歯を支えている骨(歯槽骨)が大きく失われてしまい、歯がぐらついたり、抜けそうな状態にまで悪化したりしている段階のことを指します。

歯周病は進行性の病気で、最初は歯ぐきの炎症(歯肉炎)から始まり、気づかないうちに少しずつ深刻化していきます。

重度になると、自然に治ることはなく、放置すると歯の喪失につながるリスクが非常に高くなります。

重度歯周病の状態

  • 歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)が6mm以上に深くなっている
  • 歯槽骨が半分以上溶けており、レントゲンで明らかに吸収が確認できる
  • 歯の動揺(グラグラ具合)が中等度〜重度に達している
  • 歯ぐきの炎症が慢性化しており、膿が出ることもある

この段階になると、ただの歯みがきやクリーニングでは対応できず、外科的な処置や抜歯も視野に入った治療が必要になります。

重度歯周病の主な症状

  • 歯がグラグラする:指で押すと動くほど揺れている
  • 歯ぐきが腫れる・膿が出る:炎症が慢性化して、膿がにじむことも
  • 歯ぐきが下がり、歯が長く見える:歯根が露出して知覚過敏が出ることも
  • 強い口臭が気になる:歯周病菌の活動により特有の臭いが出やすい
  • 噛んだときに違和感や痛みを感じる:咬合時に痛みを感じるのは進行サイン
  • 歯と歯の間の隙間が広がってきた:支える骨が減って歯並びが崩れてくる

こうした症状がいくつも当てはまる場合、すでにかなり進行している可能性があります。

特に「歯が揺れる」「膿が出る」「噛むと痛い」という状態は、歯の寿命が危うくなっているサイン。一刻も早く専門的な治療が必要です。

■重度歯周病はどう治療する?

重度歯周病の治療は、「炎症のコントロール」と「歯を支える組織の再建」が柱になります。症状や残存歯の状態によって選択肢は異なりますが、代表的な治療法は以下の通りです。

スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

歯ぐきの奥にたまった歯石やプラーク(歯垢)を専用の器具で徹底的に除去します。これだけで症状が改善することは難しいですが、治療の第一ステップとして非常に重要です。

歯周外科治療(フラップ手術)

歯ぐきを切開して、深い部分の歯石や感染組織を直接目で確認しながら除去します。

また、歯槽骨の形を整えたり、再生治療を併用したりすることで、歯を支える力を取り戻すことも可能です。

歯周組織再生療法

エムドゲイン®やリグロス®といった再生材料を使用し、失われた骨や歯根膜を再生させることを目指す治療です。成功すれば抜歯を回避できるケースもありますが、適応条件や歯の状態が限られるため、専門的な診断が必要です。

保存不可能な歯の抜歯

すでにグラグラで機能していない歯や、膿がたまっている歯は、周囲の健康な歯に悪影響を及ぼす前に抜歯がすすめられることがあります。抜歯後は、ブリッジ・入れ歯・インプラントなどで咬合(かみ合わせ)を回復する治療が検討されます。

■重度歯周病に関する疑問

ここでは、患者様からよく聞かれる「重度歯周病」に関する不安や疑問に答えます。

  1. 重度の歯周病は自然に治りますか?
    自然に治ることはありません。放っておくと進行し、歯が抜けてしまうこともあります。出血や膿、グラつきがある場合は早めに歯科を受診しましょう。

  2. 抜歯せずに治療できますか?
    できるだけ歯を残すことを目指します。状態によっては、治療で歯を維持できる場合もありますが、改善が見込めないときは抜歯を選ぶこともあります。判断は検査と相談の上で行います。

  3. グラグラした歯は元に戻せますか?
    軽度であれば、隣の歯と一時的に固定する方法があります。ただし根本的な解決にはなりません。骨の再生を目指す「歯周組織再生療法」で歯の安定を目指すこともありますが、数か月〜1年程度の治療が必要です。

  4. 歯石を取ったらすき間ができて食べ物が詰まりやすくなったのはなぜ?
    歯石で埋まっていたすき間が見えるようになったためです。炎症が落ち着いた証でもあります。

  5. 治療後に歯がしみたり噛みにくくなったりして不安です。
    歯の根元が出てしみることや、歯石の“支え”がなくなって噛みにくく感じることがあります。多くは一時的で、ケアで改善していきます。

■まとめ

重度歯周病は、歯を失う一歩手前の深刻な状態です。とはいえ、症状が進んでいても、適切な治療とセルフケアの見直しによって、多くの歯を残すことができる可能性も十分あります。

「歯ぐきが腫れているだけ」と思って放置せず、できるだけ早めに歯科医院で検査を受けましょう。

重度歯周病でも、今からできることはありますし、生活習慣の改善も含めた総合的なアプローチが大切です。あきらめずに相談することが、歯を守る第一歩です。